Natural Products Expo West / Supply Expo 2009

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日本食材・日本酒のアメリカ進出
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Natural Products Expo West / Supply Expo 2009(ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト/サプライ・エキスポ2009) 2009年3月5日〜8日 Anaheim Convention Center(アナハイム・コンベンションセンター)

2009年3月5日〜8日、南カリフォルニアのアナハイム・コンベンションセンターで、第29回ナチュラル・プロダクツエキスポおよびサプライ・エキスポが開催された。日本からエントリーしていたものは18団体。数多くあった日本企業および日系企業、地方自治体のブースを取材した。

在アメリカ企業

グルテンフリーおよびウィートフリーの食材が増えてきているが、小麦アレルギーに対応して、今後注目されそうなのが玄米だ。アメリカでは既に日系スーパーを中心に化粧品や発芽玄米を販売している株式会社ファンケルが、発芽玄米を使った「おこし」を試験出展していた。日本の研究所から参加していていた野中氏に話を伺うと、クリスピーな食感とグルテンフリーの食材と言うことで、人気は上々とのこと。今後のマーケティングに成功の鍵がかかっていそうだ。

アメリカに豆腐を広めた男・雲田氏がファウンダーのMorinaga Nutritional Foods,Incは、常温で保存可能なパック入り豆腐をアメリカ市場へ売っているが、5年前より工業用原料の豆腐を製造・提供している。テクニカル・マネジャーの Yanagida氏の話によると、ケーキ、パン、パスタといった食材に、脂肪分を下げかつ食感を向上し、プロテインを付加することができる機能性原料として多く使われるようになったとのこと。最終製品に「TOFU」とはうたっていない商品が増えているそうだ。TOFUもアメリカでは特別なものから、ごく一般的な食材の仲間入りをしてきたのかもしれない。

キッコーマンを母体に持つ、JFC International Inc.は、アメリカの日本食材流通大手である。ウェブサイトによると、取り扱い商品は15000種類とある。日本食材の流通事情をNational Account ExecutiveのSugisawa氏に伺った。それによると、カリフォルニアはほとんどのスーパーにはSushiの部門があり、テイクアウトの低価格品から高級寿司店まで、Sushiは定着した感がある。JFCでは、既に西海岸と東海岸ではウォルマート、ホテル、スーパーに商品を卸している。中西部は今後開拓していく地域だが、ステーキとジャガイモしか食べようとしない年配者より、リベラルな若者から日本食が広まっている。アーカンソーのへんぴな場所の大学キャンパスで、SBのカレーが売れていたりする。日本食は、中華料理よりも健康的な食事というイメージが強く、人気は高い。ナチュラル・プロダクツエキスポも以前より出展しているが、日本食は確実にアメリカへと浸透しつつある。

アメリカ市場での拡販には、スーパーでのデモンストレーションが必須で、食べて味を覚えてもらわないと、売ることはできないという。JFCの取扱商品は20年前は60%が日本よりの輸入品であったのが、現在は30%。70%が現地生産になっている。ラーメンに至っては90%が現地生産。アメリカに製造拠点を持つことは、量売れる商品でなければ難しいが、為替に左右されることもなく、価格を抑えて安定供給できるメリットが大きいという。

日本の食材は、じっくりと時間はかかってはいるものの、着実にアメリカ市場に裾野を広げているようだ。

2007年よりアメリカ市場に抹茶を紹介してきたAOI Tea Companyは、今回の出展が2回目。初回から美しくデザインされたブースで目立っていたが、デザイン全般とても好評だという。会社設立前のリサーチの段階からAOI Teaに携わっているVice Presidentの山元氏の話によると、アメリカでグリーンティーブームが始まった頃、これが一時期のブームで終わってしまうのか、根付くものかを調べたという。その結果、平均消費量が世界平均の1/3と低く、平均値までは拡大すると判断したという。日米のオーガニック認定とコーシャーの認定を取得した高級抹茶のファンは、高学歴なハイエンド層が多く、ワインにも詳しい。そのため抹茶のグレードの説明などにワインを例に取ることがあるという。顧客には本物志向のTea Companyが多く、彼らの反応、質問、不思議に感じることなどに応える形で、会社として発信する情報を整えているそうだ。今後は、ブランドを構築しながらも流通経路を増やしていくのが課題とのこと。高級抹茶の市場は、インターネットで広がりつつあるそうで、日本で800年以上の歴史を持つ抹茶とインターネットという、新旧のおもしろい組み合わせでアメリカ市場に広まっていきそうだ。

在日本企業

ジェトロとは別のブースで出展していた石川県。ここは、「国際ビジネスサポートデスク」を設置し、ニューヨークにも事務所を置いて、県内の企業のアメリカ進出を積極的に支援している。ニューヨーク駐在員便りを読んでいると、日本食のプロモーションにも力を入れていることをうかがい知ることができる。県のブースに参加していたのが、能登に本拠を置く、かに風味蒲鉾のSUGIYO USA。豆腐を作った後に残る「おから」を新食材に加工した株式会社キンダイテック。奥能登で作られている「揚げ浜塩」。そして県のブースの隣に、金沢の株式会社ヤマト醤油味噌が出展していた。

SUGIYOはカニかまを最初に作った会社だそうで、他社のものに比較してカニの身が細く、口に入れたときにほぐれやすい。本物のカニと比較しても保存しやすく、調理しやすく、食べやすい。アメリカのレストラン関係者には、かに風味蒲鉾を本物のカニだと思いこんでいる人もいると以前に流通関係者から聞いたことがあるが、調理用のカニ=カニ風味蒲鉾が当たり前になる日も近いかもしれない。

株式会社キンダイテックが開発した「MIRA-SOY」は、おから独特のにおいが無く、冷蔵で6カ月、冷凍で12カ月の保存が可能。おからクッキーを開発していたが、個人的には機能性食材としての用途が広いのではと思う。

株式会社ヤマト醤油味噌は、すでに商品はアメリカで売られているが人気は高く、今回のエキスポの初日にブースを訪ねてきたオーガニック系スーパーから翌日にはオーダーが入ってきたという。本物志向でありながら、固定観念にとらわれないユニークな商品を開発する企業姿勢は、アメリカでも強さを発揮しそうだ。

ジェトロのブースは、一見小路のようになっており、試食で配られていたSushiや刺身などを目当てに集まった人々も多く、狭い通路はごった返していた。出展していた自治体は、2つ。秋田県と静岡県。秋田県はロサンゼルスで開催される日本食・日本酒関連のイベントでは、常連になりつつある。今回は出羽鶴の秋田清酒株式会社と米、漬け物などを出展していた。静岡県のブースには、すでにシアトルに米国拠点を持つ杉本製茶と本わさびの株式会社田丸屋本店が出展。どちらもアメリカでは注目度が高い食材だけに、今後に期待したい。

静岡県のブースの近くには、同じく静岡県の株式会社やまま満寿多園が出展していた。この企業は既に世界各国へ緑茶を輸出しており、アメリカにも駐在員事務所がある。ISO14001・有機JAS・USDAオーガニックの他に、ヨーロッパで一番厳しいドイツの認定も取得するなど、安心な緑茶作りと流通に力を入れている。

まるや八丁味噌は愛知県岡崎市からの出展。八丁味噌はすでに40年前からアメリカなど世界各地へ輸出されている。670年の歴史、二夏二冬の熟成期間、独特なピラミッド形の石積、こだわりの天然醸造、大豆原料など、好まれそうなネタがそろっている。マーケティング次第ではアメリカ市場でも確固たる地位を築けそうな気がするが、いかがだろうか。

男前豆腐店株式会社が出展していたのには、正直驚いた。これまでにないネーミングと味の良さで日本でも人気だったが、アメリカに輸入された商品は、現地生産の豆腐と比較すると高額すぎた。この点は、現在解決中だそうで、近々手頃な値段で「男前豆腐」や「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」といった豆腐が手にはいるかもしれない。TOFUも手軽で安価な食材から、グルメ豆腐の時代にはいるのだろうか。

広島県立総合技術研究所が新しい加工技術を出展していた。酵素を使った特殊な食品加工技術で、堅い食材も箸でつかめないほど柔らかに変化する。介護食として出展されていたが、食品加工に限らないで考えるとおもしろい発展をしそうだ。

会場風景 ジェトロ
ジェトロのブース、セミナーやプロモーションが開催されていた。 日本食関連企業をまとめたジェトロのコーナー。多くの人でごった返していた。
秋田県 八丁味噌
秋田県は、日本酒と地方物産を出展

まるや八丁味噌の味噌製造工程を説明する展示。ピラミッド型の石積が目をひく。

デモンストレーション 広島県
静岡県からは、本わさびと緑茶が出展 広島県立総合技術研究所は、酵素を使った新技術
沖縄 キンダイテック
株式会社ヤマト醤油味噌の新商品「オーガニック玄米あまざけ」。 株式会社キンダイテックはおからを新食材に加工。豆腐の消費量が増えている中、需要はありそうだ。
ファンケル JFC
発芽玄米のファンケル この展示会の常連となっているJFC
 AOI モリニュー

デザイン面が好評なAOI。他の緑茶企業も立ち寄って抹茶を飲んでいく。

豆腐ピューレは、特別なものから機能性食材として用途を広げている。(Morinaga Nutritional Foods)

>>ナチュラル・プロダクツ・エキスポ2009 その1

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