アメリカ進出 成功の秘訣9 空間デザイン設計 Rie Watanabe 渡邊理恵氏

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アメリカ進出 成功の秘訣 その9

日本の「あたり前」が通用しない、アメリカ。

odaka空間デザイン設計 Rie Watanabe (渡邉理恵)氏

アメリカは法律が第一
日本とアメリカで空間デザインの仕事をしてきました。日米で大きな違いは、日本では設計の仕事にコンセプト・コンサルティング、デザイン、設計、メンテナンスまですべてが含まれており、ワンストップで全てを行うことです。また、お客様の要望は多少無理があっても通します。労働基準法も曖昧ですから、昼夜を徹してでも工事をしてでも予定に合わせます。

それに対してアメリカでは、一つ一つの分野に細分化しており、その分時間も費用もかかります。工賃もしっかり請求されます。社会のシステム自体が異なりますから、工期を短縮する、費用を圧縮するなど多少はできても、全てとはいきません。日本ではあたりまえとされていることでも、アメリカではできないことが多いのです。

デザインでも日本ではお客様のニーズに合わせて様々なことが可能ですが、アメリカは法律が第一です。これに違反しているといつまでもオープンできません。

工事には要所要所で調査官のチェックが必要
inaka最初にデザインのための設計を行い、次いで施工図面にはいります。必要であれば建築家に図面を依頼。施工図面は細部まで詳細に描き込まれたもので、契約書の意味をなす、非常に重要なものです。この図面を元に市の承認を申請します。市からの指摘があれば、変更する必要があります。図面がOKになるのを待っている間に、見積もりを取ってゼネコンと契約を結び、OKが出ると同時に工事を開始します。

工事の途中でも要所要所、調査官のチェックを受ける必要があります。たとえば、壁一つ作るにしても骨組みができたところでチェックを受け、ドライウォールでチェック、釘打ちでチェックと続きます。ですから、日本で今問題になっているような耐震偽装などは起こりえません。調査官によるチェックを省いてしまうと、元通りに直してからのやり直しを言い渡されます。一度許可をもらったものでも、別の調査官に修正を指摘されることもあります。

調査官が見に来るまで工事をストップする必要がある。調査官は時間外は来ない市もある。夜中の工事はできない、工事に使うマテリアルが予定通りに納品されないことは日常茶飯事。そんなですから、オープンまでは余裕をみておく必要があります。

電気や水道など基本的な設備を変更しない場合は市への申請が不要の場合があるので、デザインから最短2カ月ぐらいでオープン可能です。

現状を解体して設備も変更する場合は設計図面を市に提出して1カ月半のホールドチェックがありますので、図面にOKをもらうまでに1カ月半から半年。そこから工事に入りますので10カ月から1年はかかります。

アメリカを調べてから進出を
設計デザインと工事に必要な費用のここ南カリフォルニアでの目安は、小売店舗で100ドル/1スクエアフィート。レストランの場合は厨房設備(機械は別)を入れて、150ドル〜180ドル/1スクエアフィート、高級店になると250ドル/1スクエアフィートぐらいです。

お金をかけるなら、店に入った正面が第一、右側→左側→天井→床の順序です。予算が足りなければ、床材から削っていきます。

アメリカに進出するなら、マーケットをきちんと調べることが重要です。ライセンスが必要なビジネスもあります。また、人件費が高く工期が延びることを考慮して運営資金を用意すること。事業計画をきちんと立てておくこと。法律による規制が厳しいため、日本と同じことはできないことを知っておくことです。日本のように「お客様は神様」という考えはなく、仕事で受注者側と発注者側は対等な立場です。

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空間デザイン設計 Rie Watanabe (渡邉理恵)氏

RAD International Design Office President
Hakart Corpomax America, Inc. デザイン顧問

バンタンデザイン研究所を卒業の後、東京の設計デザイン事務所Jun Products, Co., Ltd. で各種飲食店・物販店の設計を行う。渡米後Los Angeles Harbor Collegeにて Architectural Technologyを専攻。アメリカでの空間デザインを学ぶ。その後、米系の建築設計事務所を経て自身の空間デザイン設計事務所RAD International Design Officeを設立。かたわらでHakart Corpomax America, Inc. 設立にも参加、延べ40件以上のプロジェクト経験している。

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